COLUMN 住まいのコラム
コンパクトでも広い!「空間帖数」という考え方
皆さん、こんにちは。
モコハウスは、兵庫県・大阪府を中心に、高気密・高断熱住宅の注文住宅に取り組んで30年以上、本当に快適な住まいをご提供することが使命と考える建築会社です。
今回は、「空間帖数」という言葉を使って、「建物の広さ」に対する考え方をお話してみたいと思います。
「空間帖数」の意味
こちらは、あくまでもモコハウスで考えた造語です。
高断熱高気密住宅の広さに対する捉え方のご提案となります。
一定レベル以上の断熱気密性能をもつ建物の場合、ワンルーム的に空間のつながりが大きいほど、小さなエネルギーで、全館を健康的で快適温度に保ち易くなります。
👉モコハウスが、経験上、考える「一定レベル以上」とは、外皮熱還流率:Ua値0.35W/㎡・K以上で、相当隙間面積:C値0.2c㎡/㎡以上
※ちなみにモコハウスの性能値は、Ua値0.25W/㎡・K(令和3年度平均、外壁がダブル断熱の場合)、C値0.1c㎡/㎡(令和3年度、全棟)です。
例えば、上部の見出しの写真をご覧ください。
リビングダイニングスペースは、玄関ホール(左側)と共に、吹き抜けを通して2階のファミリースペース(サブリビング)まで連続的につながった開放的な空間となっています。
このような間取りの場合、よくある感覚としては、冬寒くて夏暑い家という印象を持たれる傾向がありますが、一定レベル以上の断熱気密性能の建物となると、逆に、この開放感がプラス要素に変ります。
プラス要素とは、全館の温度差が小さくなり、また冬は寒くて夏は暑いスペースとされている半外部的な玄関ホール、ローカ、階段、そして夏場であれば2階ホールや居室などの全てが、いつでも快適に活用できる空間に変わるということです。
寒い暑いを気にすることなく、家中がくまなく活用できる空間にできるということです。
そこで、玄関ホールがリビング空間に取り込まれたり、ローカやホールの一角を書斎スペースで使ったり、階段をソファー代わりにしてテレビを観るなど、その他、様々な発想が可能となり、プランニングにおける選択肢が縦横無尽に広がることになります。
このように空間取りも含めて自由度が大きな建物で、実際にはない壁を想定し、平面的な帖数だけで考えることは、過去の古い価値観に縛られているようで、視点を変える必要を感じることから、「空間帖数」という表現方法を考えた次第です。
この「空間帖数」という捉え方ができれば、「コンパクトでも広い」という表現の意味をご理解いただけると思います。
「空間帖数」の計算例
以下の添付した写真は弊社の多田モデルハウですが、LDKの広さは18帖で、LDだけで13帖になります。
LDKは、玄関ホール、階段、ローカ、そして2階のファミリースペースや子供室まで、視覚的にも感覚的にも空間につながりがあり、この全てのスペースを合計すると約40帖となります。
このような開放的な空間のなかに存在するLDが13帖という表現だけでは、あまりにも違い過ぎると思うのです。
そこでモコハウスが提唱する空間帖数で表現すると、LDKスペースの空間帖数は40帖、2階のファミリースペースも空間帖数は40帖で、この二つを合わせて80帖ということになります。
考え方をご理解いただく為に極端な計算を行いましたが、「コンパクトでも広い」と感じる視点の持ち方を少しでもご理解いただけるのではないでしょうか。
空間を共有することから生まれるメリット
一定レベル以上の断熱気密性能の建物であれば、小さなエネルギーで、いつでもどこでも快適な温熱環境が保たれ、平面だけでなく立体的にも、プランニングや活用方法に対して沢山の選択肢がプラスされます。
またとても重要なこととして、建物がコンパクトであれば、比例して建築費用もコンパクトになります。
でも空間帖数で考えると、コンパクトでも広いのです。
空間的な繋がりをつくることに優れたトーマス氏
最後に、モコハウスのプランニングやデザインは、スウェーデン人建築家のトーマス氏(アイ・デザイン代表)が担当します。トーマス氏のデザインは優しくて美しく、また平面と立体を組み合わせた空間取りにはとても優れたものがあります。
これから住まいづくりを進められる方は、是非、トーマス氏とお話してみてください。
まず、後悔されることはないと思います。
今回も最後までお読みいただき有難うございます。