COLUMN 住まいのコラム
社長ブログより 「モコハウス高断熱高気密の歴史(その3)」
自宅建築の2年後(1992年)、木製サッシの購入の関係でスウェーデンに行くことがあり、
スウェーデンの住宅メーカー、ミレシェ・ヒュース社の住宅を見学する機会があって、
その断熱材の厚さ・気密の考え方・換気等々の住宅の断熱性能の求め方の水準の日本とのあまりの違いに驚きました。
そして、断熱材の規格、3層ガラスの木製サッシ、デザイン的にも無垢の木製パネルの外観など
日本の建築資材・仕様ではとても追いつかないと思い、
ミレシェのスペックをそのままに日本でも建ててみようと思い家一軒を丸ごと買って帰り、
同時にスウェーデンの大工さんも呼んで建てることにしたのです。
壁・床は工場でパネル化されており壁のグラスウール断熱材は隙間なく正確に密実に充填されており、
厚さはなんと380㎜もありました。天井は400㎜の吹込み工法でした。
サッシは当然木製の3重ガラスサッシです。
気密性は各パネルごとの防湿フィルムの重ね合わせで充分にとれるようになっていました。
現場施工ではなく工場で外壁パネルが生産されるため、断熱性気密性とも高精度なものでした。
とにかく断熱仕様は当時の日本と比較しても桁外れなものでした。
あの当時では、日本で同様の断熱のスペックを得ようとしても、資材も木材の規格も、
断熱材の規格も日本とは異なるので同スペックの建物を建築するのは無理でした。
ちなみに空調方式は今はなくなりましたが当時のサンヨー電機(群馬・空調事業部)と共同で、
機械室まで給水管迄引き込んで加湿機能までを設けた本格的なものを試作しました。
機械室はメンテナンススペースも入れると2階の納戸4.5畳くらいになりました。
その実験住宅建築4年後の、1996年に(旧)建設省の構造評定を取得し、
スウェーデン仕様そのままの仕様で日本向けの住宅を作りましたが、
2000年に全国区でスウェーデン製の建材を扱っているガデリウス社に認定ごと売却しました。