COLUMN 住まいのコラム
社長ブログより 「建物の基本性能の追求(その3)耐震性」
今回はモコハウスの考える耐震性の基本。
耐震性に関してはモコハウスでは建築基準法の1.5倍の耐震性を有する「等級3」を標準としている。
構造設計の方法としては「許容応力度計算」による方法を採用している。
「等級3」であれば「等級1」(震度6~7の地震のが来ても倒壊・崩壊しない)の
1.5倍の耐震強度を持っていますが、震度6~7となると相当な揺れが発生することになります。
そこで倒壊や揺れを防ぐために、倒壊に対応する「耐震構造」や、
大型ビルなどに適した地面の揺れを建物に伝えない「免震構造」、
地震エネルギーをゴムなどのダンパーによって軽減する「制震構造」などが採用されています。
しかし「耐震」は揺れが大きい場合に倒壊の可能性がある。
「免震」は大型ビルなどには適しているが個人住宅用には高額だし、
地盤条件などにより適当とは言えない場合がある。
「制震」は地震力を軽減するが、部位による剛性の違いから実際には
応力の解析が難しいというリスクがある。
そこでモコハウスでは重ね合わせた2枚の金属板の摩擦力を利用した、
シンプルな理論の摩擦力の利用による「減震構造」を採用している。
これは地震力(Fe)は=建物の重さ(m)×地震加速度(α)が発生するが、
摩擦力は(Ff)=建物の重さ(m)×金属の摩擦抵抗(μ)が発生するので
それぞれが打消しあいするという理論です。
震度4~5程度までは摩擦係数の関係で滑らない(揺れる)が、
それ以上の大きな地震力が加わると摩擦係数の関係で滑りが始まり、
お互いの力を打消し合いをし、地震による揺れを逓減するというものです。
具体的には阪神淡路地震は800gal以上の加速度でしたが、
この装置を付けると摩擦係数からして300~400galの低減が見込めることになります。
なお震度3~4程度の揺れは耐震等級3であれば余裕でクリアできるので
小さな地震は勿論、大きな地震に対しても安心ということが言えます。
難しい理論と計算が必要な「免震工法」や木造住宅には難しい、
応力の解析が必要な「制震工法」と異なり、減震工法は“ダルマ落とし”的な発想から生まれた
単純な摩擦力学的理論でリスクが少なく、木造住宅に適した工法だと思います。
コストも「制震工法」より安価です。
シンプルイズベストな考え方の発想から来た工法です。
「今まで経験したことのないような・・・」という現象が最近よく起こるので、
絶対に安全などと言うことは言えませんが、設置しないより設置するほうがましということに関しては
絶対に間違いありません。
理論が単純な故、制震工法に比較して実際に機能する確率が大きいことも間違いないと言えます。
このようにモコハウスは「耐震等級3」の標準化のみならず、
お客様にその安全性をより確実に担保するために摩擦力の利用による減震装置を設置しているのです。
これがモコハウスの耐震に対する基本的な考え方です。
次回はその耐震性をいつまでも担保するために必要な構造部材について。