COLUMN 住まいのコラム
社長ブログより 「建物の基本性能の追求(その1) 断熱気密性能」
モコハウスは愚直に住宅の基本性能を追求しています。
住宅に基本性能の定義ってあるのかどうか知りませんが、
私は基本性能とはある一定のコスト内において、現時点で考えられる限りの住環境の追求と、
考えられる限りの建物の強さ・耐久性を求めることにあると定義づけて良いのではないかと考えています。
住環境において具体的には、Ua値0.19~0.25W/㎡k程度を保つ。
これはモコハウスが過去モデルハウスにおいて独自に快適さを求めて検証してきた結果の基準値ですが、
この数値は「社団20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の
1~5地域おける最高のG3グレードとほぼ同じになっています。
(20年先を見据えたにしては淋しい数値目標だとはおもいますが・・・)
私は上記の数値Ua値0.19W/㎡kまでは体現して解っているので、
個人的にはこの数値以上の追求の先にはどんな住環境が出現するのか挑戦してみたい気がします。
もう一つの大切な要素の気密性を示すC値に関しては、
何度も書いているように全棟で実測して究極的なC値0.1㎠/㎡以下を達成しています。
因みに、モコハウスでは太陽光パネルや床暖房を装備していませんが、
それら使用寿命のある設備機器にコストをかけるより、
先ず住宅の基本性能に重点を置くべきというのが私の考えです。
太陽光パネルなどはしっかりした住宅を作っておけば、
後でいくらでも設置できるのですから。
コストに余裕があれば設置しても良いですが、
そのお金があれば建物の寿命がある限り付いてくる基本性能の向上に
お金を掛けるべきではないかというのが私の考え方です。
床暖房も基本性能をしっかりと高めておけばエアコンの暖房だけで、
敢えて床暖は設置しなくても快適です。
床暖房設備はイニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコストがかかるし、
長寿命だとは言えいつか寿命が来た時には、
床パネルの取替にはエアコンの買換え程度では済まない高額なリフォームコストがかかります。
エアコンはイニシャル・ランニング・メンテナンスコストに優れているうえ、
冬だけでなく酷暑時にも使えるし、いつでも最新の機器に入れ替え可能ですし。
太陽光パネルに関しては、後付け施工が可能だし、
先ずしっかり住宅の断熱気密性能を高めたうえで設置すれば、
パネルからの発電はより有効に省エネ効果をもたらしてくれることになります。
建物本体を中途半端な断熱性能にしてそのコストを上記などの設備設置に使う、
それが正しいのかなと私は疑問に思っています。
繰り返しますが、Ua値0.19~0.23W/㎡k程度まで高めれば床暖は必要ないし、
酷暑においてもエアコン1台の能力で充分快適に過ごせることは、モコハウスで実証しています。
住宅の基本性能をしっかりと守った上で、
空調機器は極力シンプルに、シンプルイズベストが基本です。
シンプルにかなうものはありません。
シンプルな空調を可能にするためには、しっかりとした見識をもって住宅の断熱気密性能を見極めることが必要です。
住設機器類には寿命がありますが、建築時に建物に付加した基本性能は一生モノです。
これは私が過去セントラル空調・床暖・蓄熱器等々色々な空調方式を経験してきたうえでの結論です。