COLUMN 住まいのコラム
6年目、「24時間換気システム・熱交換素子」の汚れ方をご紹介
皆さん、こんにちは。
モコハウスは、兵庫県・大阪府を中心に、超高断熱高気密住宅の注文住宅に取り組んで30年以上、本当に快適な住まいをご提供することが使命と考える建築会社です。
今回は、ご入居後5年経ったオーナー様宅の24時間換気システム(マーベックス社製、熱交換率90%)の熱交換ボックス内に設置した、熱交換素子(フィルター)の状況をご紹介します。
まずは、熱交換素子の役割を簡単にご紹介します。
下図をご覧ください。
屋外から取り込んだ給気と室内側からの排気を、50層ほどもある熱交換素子内を対角線上に互い違いに流し、気体に含まれる熱(顕熱)と水蒸気に含まれる熱(潜熱)の両方を熱交換するというもので、この素子の温度交換率は90%(最大)にもなります。
例えば、給気側(室外)の空気温度が0℃で、室内側からの排気の空気温度が20℃だったお場合、計算上、熱交換により給気側の空気温度が18℃になって室内側に給気されるということです。
一方、外の空気を取り込む際には、不純物を除去するためにフィルターが採用されています。
マーベックス社のPM2.5フィルターΣ50という純正フィルター(外部に設置)で、花粉であれば99.8%、PM2.5は98%除去できるという代物です。
下の画像は、交換時期が到来した都合1年間ほど活躍したフィルターの画像です。ご覧のように真っ黒になります。
では前置きが長くなりましたが、実際にご利用中の熱交換素子の汚れ具合をご紹介します。
素子内を四六時中休むことなく空気が流れていますので、5年間で、かなり汚れていることを想定される方も居られますが、どうぞご確認ください。
まず最初に、PM2.5フィルターΣ50を通過して最初に通る給気側の面です。
こちらに付着した黒い汚れの多くは、PM2.5の除去率90%のフィルターから逃れた約2%程度のPM2.5だと思われます。汚れの付着だけで目詰まりしそうな埃や汚れは見受けられません。
次に、こちらは先ほどの面の反対側(給気の室内側)になります。
給気の最初の面は少し黒く汚れていましたが、給気の室内側は新品同様の状態でした。
5年経ってもここまで綺麗に保たれています。
新鮮な空気が取り込まれている証拠と言っても、宜しいかと思います。
次に、排気の室内側の画像です。
室内の12か所の排気口からダクトを通じてチャンバーというボックスで1本のダクトにまとめた後に、最初に通過する面です。
実は、室内側からの排気の方が汚れ易くなります。
各居室や水回りや物入やトイレの床面に排気口(もちろん埃を濾すフィルター付きです。)を設置して、床面を漂う埃を巻き上げるのことなく吸い込む仕組みを採用したり、また、人が生活することにより発生する汚れ(お料理など)が付着しやすいことが理由です。
室内の空気環境に関係がない排気側ですので、PM.2.5用フィルターのような微粒子まで取り除く必要はないとされています。コストにも響きますので・・
この面は4面の中で最も先端部分に埃が付着しています。ただ目詰まりするほどものではなく、掃除機で吸えば綺麗になくなりました。
最後に、排気の外気側の面で、一番外側になります。
こちら面には埃の付着はなく、斑点状にススのような汚れが付いているのみで、新品時の白い面が多く残っていました。
この黒い斑点は、カビではないの?とメーカーに問い合わせたことがあります。
メーカー側からは、これは室内側の汚れで、常時、規定の流速で流れている限り、埃で目詰まりすることはなく、勿論、カビが発生する環境ではないと仰っていました。
以上、5年間利用した場合の熱交換素子の汚れ方のご紹介でした。