【税金】相続税の小規模宅地の特例の改正について
平成22年度の税制改正では、相続税における小規模宅地の評価減の特例について改正がありました。まずここでは、最も適用件数が多い自宅(被相続人が所有し居住していた住宅)に限定し、そのポイントをひも解いてみましょう。
■ 改正の目的と適用時期
適用要件を厳格化することによる増税が主眼と考えられ、平成22年4月1日以降の相続または遺贈による取得に適用されます。
■ 小規模宅地の特例とは(改正後)
ここでの小規模宅地の特例とは、被相続人が所有し住んでいた居住用宅地が一定の要件を満たすものについては、宅地の評価額を80%軽減するというものです。
要は、残された相続人の生活基盤にあたる宅地には大きな負担を掛けないようにするための措置です。
例えば、残された相続人が住み続けるなければならない住宅に、まともに課税されることにより売却しないと納税できなくなるようではあまりにも酷過ぎるというわけです。
■ 改正のポイント
■ 下図の居住形態で父に相続が発生したケース ■

(1)宅地Aを妻(配偶者)が単独で相続した場合
改正前後とも、特定居住用宅地として80%の軽減適用(上限240㎡)
※配偶者に関しては特別扱いです。例えば、相続税評価額1億円の土地が2000万円に軽減されることになるのですから大きな特例といえます。
(2)宅地Aを妻と長男が2分の1ずつ相続した場合
改正前
すべて特定居住用宅地として80%の軽減適用
改正後
妻(配偶者)が相続する120㎡(持分割合)部分は80%の軽減適用が可能だが、同居及び継続居住していない長男の120㎡部分は全く軽減適用なし。
例えば
土地の相続税評価額が1億円だった場合
改正前:2000万円 → 改正後:6000万円
もし、30%の相続税がかかる場合なら1200万円の増税となります。
※改正前は、上記のようなケースの場合、相続人の内ひとりでも特定居住用宅地の評価減特例の適用対象者であれば、その他の相続人の持ち分にも「棚から牡丹餅」式で80%の軽減適用が可能でしたが、改正後は各相続人毎に按分して計算することになりました。
また改正前は、特定居住用宅地の80%の軽減適用に該当しない場合でも50%の軽減適用(上限200㎡)がありましたが、これも除外され80%か0%のいずれかになりました。
(3)宅地Aを長男が単独で相続した場合
改正前
居住用宅地として200㎡部分のすべてに50%の軽減適用
改正後
軽減適用なし
※改正前の50%の軽減適用(上限200㎡)は除外されました。
■ まとめ
今回の税制改正のポイントは、被相続人の遺産に頼る必要のない相続人には軽減措置の適用は認めず、徴税力を高めたものといえます。
核家族化が進んだ現在、同居や継続居住の要件を厳格化したことにより、大きな税負担を強いられる納税者が増えることは確実でしょう。
今後は相続税においても、税収を増やすための様々な改正が予想されるため、早めにリスク確認を行い対策を実行することが大切といえます。










